2021.12.1

元日銀副総裁とネット銀行の先駆者auじぶん銀行社長が語る日本の「金融教育」とは

StoryNews編集部

西村淸彦 臼井朋貴

スマートフォンに特化した新たな金融体験を提供するauじぶん銀行株式会社は11月25日、都内で特別対談イベントを開催しました。同社の臼井朋貴代表取締役社長と対談したのは、かつて日本銀行副総裁を務めた西村淸彦氏。日本における金融の課題や教育、未来などについて語り合いました。 

フィンテックが台頭したことでインターネットバンキングやキャッシュレスが世の中に浸透した昨今。しかし西村氏は「課題は山積している」と警鐘を鳴らしています。 

一つは高齢者におけるデジタルスキルの遅れ。金融関係のサービスがデジタル化されたことにより、高齢者が取り残されるという懸念があります。また、若年層から中堅層のいわゆる「これから貯蓄を増やしていく世代」の投資への意識が低いことも挙げられるでしょう。「貯蓄から投資へという掛け声は以前から聞こえてきている。しかし、特にこれからの世代は金融知識が足りておらず、未だに日本は投資への意識が低いという現状にある」と西村氏は語りました。 

臼井社長は「日本は欧米に比べて、金融を学ぶ機会が少ない」と指摘しました。auじぶん銀行では、資産運用ウェブセミナーや元プロ野球選手との対談企画などを実施。中でも特に興味深いのが子どもに対する金融教育で、小学校で開催する「お金の授業」や子ども向けアニメーション動画を公開するなど、啓蒙に注力しています。西村氏は「例えば、金融教育のアニメーション動画を『あつまれ どうぶつの森』と言ったゲームコンテンツの一角に組み込めば更に面白い」と述べました。 

安心安全“納得”が未来の投資の形 

高齢者への情報教育や若年層への金融教育などが課題となっていますが、西村氏は金融サービスについて3つの留意点を挙げました。まずは「各ライフステージによって必要な投資情報が変化する」ということ。若年層であればリスクをとって将来への蓄えを増やす選択肢があるでしょう。一方、高齢者は長いセカンドライフを考えた運用に切り替えることが考えられます。また、「十分な情報が分かりやすく伝わっているか」を検討する必要もあります。「投資には有利な点と不利な点がある。売り手は有利な点を訴求しがちで、買い手は不利な点を把握しづらいというケースもある」と西村氏。 

さらに、西村氏が提唱したのは「金融教育によって将来、自分が何をしたいか“気付き”を与えられること」でした。資産を持つことによって、世の中に貢献できる幅は大きく広がります。そのことに気付けば、先の人生も変わっていくでしょう。西村氏は「安全安心確実という投資はそもそも難しい。しかし、ユーザーにフィットしたサービスを提供することで、将来何をしたいかに気付かせることができるかもしれない。安心安全“納得”という新しい投資の形を模索してほしい」と投げかけました。 

リスクヘッジしながら貯蓄を増やす分散投資、ベンチャー企業を応援してリターンを得るエンジェル投資など、投資の目的はそれぞれ。金融教育を積極的に展開しているauじぶん銀行には、「貯める」、「増やす」、「社会に貢献する」など多様化する投資に応えていくことが期待されています。 

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