2023.3.3

【南紀白浜エアポート】ワーケーションは企業と地域、「持続可能なWin-Winの仕組み化」がカギ

StoryNews編集部


株式会社南紀白浜エアポート 誘客・地域活性化室 室長
森重良太

全国の自治体に先駆けて、2017年からワーケーションの誘致に関する取り組みを始め、今では“ワーケーション発祥の地”“ワーケーションの聖地”とも呼ばれている和歌山県。そんな和歌山県のワーケーションを語るにあたって、欠かせない存在が南紀白浜エアポートの森重良太氏です。

同氏は2018年から和歌山ワーケーションの総合コンシェルジュとして、企業向けのプログラム提案やご当地コンテンツの開発・現地の旅行手配・受入体制の整備などを地域の中心的ハブとなって進めており、この4年ほどで、150社以上の企業に対して累計2000件超のワーケーションの企画・手配を実施しています。

さまざまな企業にワーケーションを提案しながら同時に地域の受入体制づくりまでしてきた総合コンシェルジュだからこそ分かる、ワーケーションの本質とは何か、そして和歌山ワーケーションの魅力とは何か、南紀白浜エアポートの誘客・地域活性化室長の森重良太氏に話を聞きました。

地域経済の発展の先に、空港の発展がある

提供:和歌山県

──和歌山ワーケーションの総合コンシェルジュとしてワーケーションに関わることになったきっかけは何だったのでしょうか?

森重:南紀白浜空港は、もともと和歌山県が運営する県営空港でしたが、2018年10月から民営化がはじまり、現在は民間資本100%の株式会社南紀白浜エアポートが運営しています。私たちが空港を運営するにあたり特に注力しているのが、空港を起点とした地方創生の取り組みです。

空港を利用する人は空港自体に用事があるのではなく、観光やビジネスなど空港の背後にある“地域”に対して用事があり、その用事のために地域の“空の玄関口”である空港を利用してくれます。「空港の発展は、地域の発展から。」そんな考えのもと、南紀白浜エアポートは誘客・地域活性化の専門部署を立ち上げ、地域の需要を自ら創出するために誘客の仕組み化と持続可能で稼げる地域づくりに向けたさまざまな事業を展開しています。

私たちがワーケーションの誘致に取り組んでいる背景には3つの理由があります。1つ目は和歌山県全体で進む急速な人口減少、2つ目は観光需要の季節別・曜日別の偏りの大きさ、3つ目が消費単価の低さです。特に南紀白浜エリアは、年間300万人以上が来訪するリゾート地でありながら、白浜町の人口は2万人と少なく、また観光需要が夏もしくは週末に大きく偏っていて年間を通じての稼働率が高くなく、ご当地の体験コンテンツも限られているために消費単価が低く、地域として稼ぐポテンシャルが十分に発揮できていない状況です。

この3つの地域課題を解決するために、まずは平日や夏以外に和歌山を訪れてくれる人を増やし、かつ地域での新しい体験コンテンツを増やして長期滞在や広域周遊をしてもらい地域での消費を活性化しながら、将来的には企業誘致による雇用の創出や移住・UIJターンの促進につながるような関係人口になってくれる新しい客層を呼び込む仕組みを事業としてつくろう。そう考え、空港会社として「ワーケーション」にターゲットを絞り、2018年から企業向けにワーケーションの誘致を始めたんです。

ワーケーション「何それ?」が最初の反応

──2018年当時、ワーケーションの認知度は高くなかったと思います。当時の状況を振り返ってみて、いかがですか

森重:当時はワーケーションしませんかと言っても「何それ?」という反応をされることがほとんどでした。そういう初期の時代から、和歌山で始まったワーケーションの意義や価値を全国の人に知ってもらえるように、自治体や地域事業者と連携しながら、ワーケーションの普及に関する試行錯誤をずっと繰り返してきました。

2018年当時、ワーケーションに取り組んでいたのは和歌山県など一部の地域だけでしたが、コロナ禍を経て、企業や政府が新しい働き方や旅のスタイルを推進していることもあり、今では全国200自治体以上がワーケーションの誘致に取り組んでいます。そういった経緯を踏まえると、ワーケーションの認知度は当時では想像もできなかったほど格段に上がったのかなと思います。

ワーケーションの取り組みを始めて4年ほどが経ち、コロナ渦の影響でこれまでの働き方や観光の当たり前が大きく変化する中でワーケーションの認知度も一気に高まりましたが、私たちが日々やっていること自体に大きな変化はありません。ワーケーションはあくまでこれからの時代をより豊かに過ごすために必要な働き方の選択肢であり、企業や個人がワーケーションを通じて得られる本質的な価値に、変わりはないと思っています。

ワーケーション“2000本ノック”の実績と経験

WORK×ation Site 南紀白浜

――これまでどれくらいのワーケーションの実績があるのですか?

森重:南紀白浜エアポートは2018年から和歌山ワーケーションの総合コンシェルジュとして、企業向けのプログラム提案やご当地コンテンツの開発・現地の旅行手配・受入体制の整備などを進めていますが、この4年ほどで150社以上の企業に対して累計2000件超のワーケーションの企画・手配を実施しています。

これだけの数のワーケーション受け入れをやっているコンシェルジュは全国的にもまだ多くないと思います。例えるなら、4年間かけて企業からのありがたい2000本ノックを受け続けている状態です。その中でたくさんの失敗経験もありますが、その分どうすれば和歌山を選んでもらえるか、リピートしてもらえるか、最終的なゴールである企業進出や移住・定住に繋げることができるかなどに対するノウハウは多くの試行錯誤と日々の実践を通じて溜まってきていると思います。

──和歌山ワーケーションの総合コンシェルジュをやってみて、南紀白浜エアポートにはどのような良い効果がありましたか?

森重:南紀白浜エアポートの誘客・地域活性化室では地域コンシェルジュの一貫で、地元に特化した着地型の旅行事業(紀伊トラベル)を展開しているのですが、7割のお客様が平日に来ており、9割のお客様がリピーターです。そのような客層ばかりの旅行代理店も珍しいと思います。地域への送客取扱高も累計で1億円を超えており、地域事業者の閑散期の収益向上にも微力ながら貢献できているのではないかなと思います。

ワーケーションに来る人をターゲットに絞り、自治体や地域事業者と日常的に連携しながら集中的にチームのリソースを投下したこともあり、南紀白浜空港の旅客数はコロナ渦の影響を受けながらもワーケーションを誘致する前と比較して約2倍まで伸び、航空機材の大型化や運賃の値下げ、期間限定での増便などが実現できています。

コロナ禍の影響で多くの地方空港は旅客数が7〜9割ほど減少したのですが、南紀白浜空港は4割ほどしか落ち込みませんでした。それは、観光・インバウンドとは異なる底堅いワーケーションやビジネスの需要を新しく獲得できていたからだと思います。閑散期に来てくれるワーケーションやビジネスの需要を新たに取り込みつつ、コロナ禍による行動制限が緩和されてからは観光需要も戻ってきているので、それらの需要が合わさることで2022年度は2022年4月から2023年1月現在まで10ヶ月連続で月別の過去最高旅客数を記録し続けており、空港としてもワーケーション誘致の効果が出始めています。

──和歌山ワーケーションの総合コンシェルジュとして、企業向けのプログラム提案やご当地コンテンツ開発現地の旅行手配・受入体制の整備などを進めていくにあたって、どのような点にこだわってましたか?

森重:和歌山ワーケーションのゴールは明確で、企業誘致と新たな地域雇用の創出による移住やUIJターンの促進です。そのため「企業目線」に徹底的にこだわって、プログラム提案や地域調整などに取り組んでいます。「リフレッシュ」や「観光+テレワーク」といった目的も大事ですが、それだけでは企業誘致には繋がらず、企業にとってもワーケーションの意義を感じづらいのが本音です。

企業はワーケーションを通じて、都市部では得られにくい社会課題やSDGsの体感や異質の価値との出会いによるダイバーシティの実践などによって新しい事業を生み出したり、社員が自分らしい働き方を自由に選択できることでパフォーマンスやエンゲージメントを高めたりといった点に価値を感じるので、常に「企業目線」を持って、経済合理性や費用対効果に重点を置き、ワーケーションを通じて企業の課題解決に貢献できるように意識しています。

「フルオーダーメイド」で、企業の課題解決にこだわる

──「企業目線」のワーケーションならではの、こだわりはありますか?

森重:これまでの2000本ノックの経験を踏まえて、企業の声として共通しているのは「なぜ、わざわざ和歌山なのか?」と「当社にとってどんなビジネス的な価値があるのか?」の2点です。この2つの問いに答え続けるために「和歌山ならではの生きた地域資源を活用すること」と「その企業が都市部では解決できない課題を解決すること」の2点にこだわってワーケーションの企画・提案を行っています。

各企業が持っているニーズをしっかり理解していないと、魅力的なツアーを開催しても、素晴らしいワークプレイスを提供しても、企業は継続的にリピートしてくれません。和歌山も補助金を活用したオフィス整備などを行ってきましたが、企業にとってその地域に行く価値やそこに居続ける価値を作れないと、リピートしてくれなかったり、補助金がなくなったタイミングで撤退してしまうといった失敗も過去には経験しています。

そのため、和歌山ではワーケーションのプランを安易にパッケージ化することなく、またハード面や補助金に頼るのではなく、企業の個別ニーズをしっかりヒアリングして、その上で自治体や地域事業者が有機的に連携できるよう調整をして、その企業に合った独自のプランをフルオーダーメイドで提案することにこだわっています。

──フルオーダーメイドでプログラムを作成し、企業に提案するのは大変じゃないですか?

森重:すごく手間はかかりますし、大変です(笑)。ただ和歌山ワーケーションは量よりも「質」にとにかくこだわっています。量を追い求めて100社、1000社が1回だけ和歌山に来るよりも、10社・20社が10回・100回と和歌山に何度も来続けて、地域に深く関わってもらって定着してくれる方が圧倒的にいい。

企業誘致がゴールだからこそ、量より質にこだわって「和歌山でしかできない企業の課題解決」ということを感じられるプログラムの作成・提案に取り組んでいます。もちろん、量を増やすためにパッケージを作成し、それを販売した方が“売れる”かもしれませんが、それは長期的な目線での地域の課題解決や持続可能な地域づくりにはあまり繋がりにくいと思っているので、大手の旅行代理店や研修会社などからは何度かご要望をいただいていますが、取り組みを始めた当初から安易なパッケージ化は一切やっていません。

──実際にワーケーションを推進していくにあたって、どのような声が多いですか

森重:ワーケーションを実際に体験してみた人たちからの満足度は総じてとても高いです。アンケートや実際の感想を聞いてもほとんどの人たちから「いいね」という声をいただいています。

ただ「こういう取り組みや働き方をやった方がいい」という体験者の感想は多いのですが、その一方でワーケーションを体験した人が会社に戻り、「ワーケーションは良かったです。これを仕組み化しましょう」と言ったときに、なかなか社内決裁が通らないことがまだまだ多いです。

そのため定性的な体験者の感想だけではなく、客観的な定量データの取得にも取り組み、企業の社内稟議を通すためのサポートまで行っています。2021年3月には実際に専門の第三者機関に入ってもらい、東京で在宅テレワークをしている人と和歌山でワーケーションをしている人を定量的に比較したところ、エンゲージメントが24%向上、生産性が17%向上、ストレスが56%低減といった科学的なエビデンスも取得しています。 

パッケージ化せず、企業の多様なニーズに応える

熊野古道保全活動

──地域側として、ワーケーションに対する企業からのニーズの変化を感じることはありますか?

森重:そうですね。例えば、一番人気なのは地域課題解決や新規事業創出を目的にワーケーションに来る企業が多いのですが、最近では「チームビルディング」に対するニーズが増えてきていると感じます。

実際に企業からの声を聞いてみると「コロナ禍が長引いたこともあり、在宅ワークも多い中でリアルでのコミュニケーション機会が極端に減り、チームビルディングに課題を感じている」という意見が多いんです。ただチームビルディングと言ってもその課題感や目的も様々なので、そういった細かいニーズを満たすご当地プログラムも増やしていこうかなと思っています。

──ワーケーションを推進していくにあたって、最も大事なことは何だと思いますか

森重:ワーケーションの目的は企業によって本当に異なります。和歌山ワーケーションは多くの企業のニーズに応える中で、「地域課題解決型」「地域DX型」「SDGs型」「健康経営型」「ビジョン経営型」「ダイバーシティ型」といった様々な企業目線のプログラムをこれまで提供しています。

ワーケーションはあくまで“手段”であり、ワーケーションを通じて「何を実現したいか」という目的が何よりも重要です。そして、ワーケーションを誘致したい地域も同様に「どんな地域を実現するためにワーケーションの誘致に取り組むか」の目的がすごく大事です。そうしないとワーケーションを行う側も受け入れる側もアンマッチが生じて最悪の場合は双方が不幸になってしまうケースもあります。企業側と地域側の双方のニーズをしっかり把握してマッチングさせるのが地域コンシェルジュの腕の見せどころだと思います。

地域の課題解決にも、ワーケーション誘致が効果的

――ワーケーションによる地域の課題解決とはどういうことですか?

森重:多くの地域課題は「人口減少」に起因するものだと思います。急速な人口減少によって、今は当たり前にある地域の産業や生活の仕組みが5〜10年後には突然なくなってしまうかもしれない。そのためリアルに起こる人口減少を前提として、地域の将来ビジョンを描きながら持続可能な地域づくりに取り組むことが重要になります。

人口減少対策としてどこの地域でも移住・定住やUIJターンの促進に力を入れていますが、いきなり都市部の人たちに「移住してください」と言っても、都市部での今の仕事と比較すると「やりがいのある仕事や十分な所得が得られる仕事が少ないでしょ」とどうしてもなってしまう。

ローカル産業だけではなかなか都市部のビジネスパーソンの価値観や所得水準に見合う仕事の創出が難しいのが現実です。それならば都市部の企業にサテライトオフィスを設けたりしてもらい、そこで地域課題を解決するような新規事業が立ち上がれば、そこで都市部企業による新しい地域の雇用が生まれます。移住やUIJターン促進のためには、都市部の企業を地域に誘致することで、魅力的な雇用を地域に創出することが一番の近道だと考えています。

ただ企業も誘致されて「地域に来てください」と言われてもいきなり「はい、行きます」とは当然ならないです。企業がわざわざ地域に行くメリット、企業として地域に進出する意義や経済合理性が必要になります。そのため単に観光資源が豊かなだけでは企業誘致は難しいです。企業にとってはビジネスチャンスや人材育成の機会があるかが重要なため、ワーケーションでは観光だけではなく、地域の課題や地域の人、文化・歴史も含めて地域との関わりを深く持ってもらうことを特に意識しています。ワーケーションをきっかけに地域の人や地域課題を知ってもらい、そこから事業創出や企業誘致につなげて地域に雇用が生まれ、将来的に移住・定住が進む。そういうプロセスをイメージしながらワーケーションの誘致を進めています。

【併せて読みたい】県庁ワーケーション担当にきく”和歌山が選ばれる理由”はこちら

ワーケーションは「Give&Take」ではなく「Give&Give」

ゲストホテルMu南紀白浜(提供:和歌山県)

――地域と企業の双方のメリットを考えてワーケーションを提案する際、心がけていることを教えてください。

森重:観光は地域の良い部分だけ見せて、それに対価を支払ってもらう「Give&Take」の要素が強いと思っています。一方で、ワーケーションは「Give&Give」、お互いが持っている価値を相互に交換し合う要素が大きいと思っています。

例えば、都市部の人はさまざまな専門的知識や技術、製品・サービスなどを持っていて、社会的にインパクトの大きいビジネスをやっているけれど、一人ひとりの業務内容は細分化されていることが多く、自分が日々やっている業務がどれだけ社会の役に立っているのか、誰の笑顔にその仕事が繋がっているのかなどの手触り感がなかなか感じづらい場合があります。それにより、仕事のやりがいや当事者意識が薄れてしまうことも起こりえます。

一方で、地域で働く人は日々生き残りをかけて、圧倒的な当事者意識を持って自分の事業や地域に対して仕事をしている人が多いのですが、専門的な知識や技術などがどうしても都市部の企業と比較すると不足しがちです。そこで、都市部の人と地域の人が交流する中でお互いが持っているもの、持っていないものを上手く価値交換する、そんなプログラムを考えて提案するようにしています。

日本全国にその地域や企業に合った「ワーケーション」を広めたい

──最後に今後取り組んでいきたいことを教えてください。

森重:大きく3つあります。まず、弊社だけでこれからも企業向けのコーディネート業務をずっと進めていくのにはリソース的にも限界があるので、社外の地域人材も含めて地域のコーディネーターの発掘や育成に力を入れていきたいと思っています。地域コーディネーターを増やすことで、もっと多くの企業を誘致して地域ならではの多様なプログラムを提案できるようにしていきたいです。

2つ目が地域での受入体制の拡充です。地域の受入体制づくりで一番苦労しているのは、ワーケーション用の宿泊プランです。南紀白浜は温泉地で旅館タイプのホテルが多いので、ほとんどの宿泊プランが1室2名以上、1泊2食付きで1万5000円からといったプランになっています。ただ、ワーケーションで来た人たちは1室1名の素泊りで、かつ出張経費の上限である1万円以内を目安に宿泊したい人が圧倒的に多いです。ワーケーションの聖地と呼ばれていても、そのニーズを満たすホテルがまだまだ地域にすごく少ないのが現状です。

これまで「平日限定・部屋数限定でいいので、売上を落とさない範囲で、1室1名で素泊り、1万円以内で泊まれるワーケーション用の宿泊プランを出してほしい」と、地域のいろんなホテルと何年もかけて交渉しながら、独自の宿泊プランをつくってきました。今後の需要を見据えて、また観光の閑散期である平日需要の底上げを目指して、もっと柔軟な受入プランを拡充して地域としての稼ぐ力を高めていけたらと思っています。

最後に、ワーケーションを和歌山だけではなく、全国にもっと広めていきたいと思っています。ワーケーションは普段とは違う場所へ越境することで、個人の働きがいを高め、企業のイノベーションを創出し、かつ地方創生にも繋がる素晴らしい仕組みです。数年後には和歌山に限らず、企業が当たり前のように全国でワーケーションという働き方を自由に選択できる世界をつくっていきたいですね。

──企業にとってワーケーションが当たり前になる世界を目指されているのですね。

森重:はい、そのために和歌山で培ってきた失敗経験やノウハウは惜しみなく他の地域にも伝えて、どこの地域でもワーケーションができるようにしていきたいと思います。「和歌山は観光資源が豊富だから、ワーケーションが推進できるんでしょ」とよく言われるのですが、個人的には観光資源が全くない地域の方が課題も多いからこそ、ワーケーションや企業誘致のポテンシャルはむしろ大きいと思っています。

なぜなら企業としては、そういった先進的な社会課題に取り組むことに価値を見出すわけですから。和歌山が培ってきた企業向けのワーケーションのモデルは日本全国どこでも活用ができると思うので、どんどん和歌山の失敗も含めたこれまでの経験やノウハウを伝えていければと思います。そしてワーケーションが広がっていく中で和歌山も他の地域から新たな学びや刺激を得ながらさらに魅力を高めて、これからも選ばれ続ける地域となることで、和歌山らしい持続可能で稼げる地域づくりに貢献していきたいです。

【森重良太(もりしげ・りょうた)プロフィール】

株式会社南紀白浜エアポート 誘客・地域活性化室 室長

NECで戦略スタッフとして戦略立案・事業再生・M&A等の事業企画を経験した後、経営共創基盤(IGPI)で経営プロフェッショナルとして民間企業の新規事業開発・成長戦略策定・組織変革支援や、官民双方の立場から全国の空港民営化および地方創生に携わる。
2018年より南紀白浜エアポートで誘客・地域活性化室長として「空港型地方創生」に向けたエアライン誘致・地域連携・着地型旅行事業を統括。日本におけるワーケーション発祥の地である和歌山で総合コンシェルジュとして、150社2000件超の企業向けプログラム提案や専用コンテンツ開発・現地旅行手配・受入体制整備を手掛ける。全国各地のコンテンツ開発や受入体制の構築、コーディネーター育成などの地域づくりにも従事している。
紀伊半島地域連携DMO 事務局長・最高マーケティング責任者(CMO)・最高財務責任者(CFO)、観光庁 新たな旅のスタイル促進事業 アドバイザー、観光庁 ワーケーション推進事業 アドバイザー、日本ワーケーション協会 公認コンシェルジュ、和歌山大学 非常勤講師・教育研究アドバイザー。
【南紀白浜エアポートのWebサイト】

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