2022.8.19

【宮崎雄】ビザスクのスピード成長のわけとその解決する課題とは? 

StoryNews編集部

株式会社ビザスク​ 執行役員 宮崎雄​

株式会社ビザスク 執行役員 宮崎 雄 

課題解決キーワード:「仕事の報酬は仕事 

株式会社ビザスクは2012年に創業。2020年3月にマザーズ上場。2021年にはアメリカの同業企業であるコールマン・リサーチ・グループを買収と、急成長を続けています。ビジネスの特定分野に知見を持つ個人の知見と、企業が抱える課題をマッチングさせるナレッジプラットフォーム、ビザスクの成長をキーマンとして支える執行役員宮﨑雄氏に聞きました。 

知見と挑戦をつなぐビジネス 

まずはビザスクの特色を教えてください。 

宮崎:当社をひと言で表すならナレッジプラットフォームによって、「知見と、挑戦をつなぐ」企業。利用するのは、新規事業開発や研究開発、DX、組織改善等、あらゆるイノベーションに取り組む企業で、大手企業からスタートアップ、個人事業主まで幅広くご利用頂いています。業界業務の経験豊富な「その道のプロ」であるアドバイザーが持つ“ナレッジ(知見)”と企業の目指す“挑戦”をマッチングする役割を果たします。 

主力サービスはスポットコンサルです。ビザスクのスポットコンサルは、各業界職種のプロフェッショナルや経験者といったアドバイザーに1時間からのビジネス相談ができるサービス。ビザスクが間に入りアドバイザー探しからマッチングまでサポートする『ビザスクinterview』、依頼者自らがアドバイザーを探しセルフマッチングする『ビザスクlite』があります。また知見との出会い方を多様にすべく新サービスも積極的に開始しており、直近ですと22年4月に『ビザスクnow』をスタートしました。これは24時間以内に5人以上のアドバイザーからテキスト回答を得られるQ&Aサービスです。いずれのサービスも自社の知りたいことを経験者や有識者に直接聞け、クイックに一次情報を手に入れることができます。 

ビザスクは、急速な成長を遂げています。要因は何でしょうか。 

宮崎:企業とアドバイザーの双方がこういった場所を求めていたのだと思います。 

企業は、これまでは一つの事業領域に特化していれば、売上や利益を上げ続けられました。ところが昨今ビジネスの領域が溶けて染み出しており、自分たちも他の領域へ挑戦するために新たな声を聴く必要が出てきた。そこにビザスクがいたということだと思います。 

一方のアドバイザー側は「自身が持っている知見をシェアしたい」と考えるようになってきた。これまでは、転職でもしない限り、外部に自分の知見を提供するような機会はなかったわけです。副業解禁となったものの、副業を探すのは実際大変です。ビザスクなら自分の知見を気軽に、アンケートなら数分単位、スポットコンサルなら1時間単位で売れ、活躍の幅を広げられる。 

企業は市場の変化で他の領域に挑戦をする必要が出てきた。一方、専門的な知見を持ちながら、埋もれていた多くの人たちが、それを生かす機会を求め出したということですね。 

宮崎:はい、そうだと思います。現在、ビザスクには190の国と地域で49万人以上のアドバイザーが登録しています。昨年アメリカ大手同業のコールマン・リサーチ・グループを買収したことで、海外のアドバイザーも拡充されました。日本国内外で知見を持つアドバイザーに、気軽に相談できるのが強みです。これだけの数と幅の広さは、世界的に見ても稀有なデータベースであると自負しています。 

いまある雇用形態では解決できない課題 

宮崎さんご自身はリクルートでキャリアをスタートさせました。 

宮崎:2006年にリクルートHRマーケティングに入社し、営業から新商品開発など、13年間人材業界に関わってきました。 

当時、正規雇用と非正規雇用の人に働く満足度の調査をしたことがあって、正規雇用の人の満足度が圧倒的に低かったんです。さらに言うと、40代~定年までのいわゆる働き盛り世代の満足度が低かった。その時、今ある雇用形態では解決できない課題をぼんやりと感じました。ただ、その課題意識というのは、“自分の好み”のようなもので、筋のいいビジネスではなかったので追求することはなかったんです。その後、エージェントを通じてビザスクという会社を知りました。 

ビザスクの印象は?どうでしたか? 

宮崎:私が入社した2019年はまだ50人程度の組織でした。驚いたのは企画から決定、行動までのスピード感です。リクルート時代は、どうしても意思決定に時間がかかりました。その分動き出すと、大きな変化を生み出すこともできるわけです。 

ビザスクは企画から数人と話してスタートする。スピードが本当に速い。一方で、動き出しても営業が2、3人で進めているような状況だったので、すぐに大きな変化は生み出しづらいのですが。なにより、事業環境が変わるのに合わせて自分の環境も変わることが、困難でもあり楽しみでもありましたね。 

未経験の領域でビジネスを進めるには? 

最初のビザスクでのお仕事は? 

宮崎:ビザスクに入社後、CEO室長とビザスクlite事業部長を兼任しました。また、法人向けマーケティングの立ち上げにも携わりました。新しい領域へのチャレンジで、これまで手掛けていたマーケットとは全くの別物です。また、入社当初は人も少なかったので、新しい構想があっても実行する人がいませんでした。初めてのビジネス領域に対して、自分で企画して自分で実行する。学ぶことが非常に多く、大変でした。 

どのようにプロジェクトを進めていったのですか? 

宮崎:全てのことを自分たちでやらなければならない。でも法人向けのBtoBマーケティングは未経験の分野で自分には、進めるための知見が無い。他の領域や他の会社に先人がいる。そこで、無邪気にアポを取って、恥を忍んで、先人の意見を聴いていきました。直接HPを見てアポを取ったり、ビザスクを活用してスポットコンサルで聴いたりしていました。そうして集めた知見は自分たちに適応できる部分とそうでないところがありましたが、数人に話を聴くと課題が明確になりました。 

詳しい一次情報を聞いて自身のビジネスに役立てる。これはまさに、ビザスクのサービスそのものですね。 

宮崎:(ビザスクCEOの)端羽自体が、起業時にビジネスアイデアの相談を持ちかけた相手にダメ出しをされた。その「ダメ出しの1時間に価値がある」ということでビザスクのビジネスを立ち上げたので、実体験に根差したサービスなんですよね。 

フラットな企業文化で事業成長 

端羽さんは、宮崎さんから見てどのようなひとなんでしょうか? 

宮崎:端羽がよく言う言葉に「昨日の私より今日の私の方が賢い」があります。過去の自分の考えに固執しない。最初に会った時からいま考えているビジネスのことを話したり、入社前の飲み会で、別の役員とその場で議論し始めたり、というフラットさが印象的でした。 

端羽のフラットなものの見方がビザスク全体の文化に影響していると思います。端羽と私はと言うと、マネージメントに関する考え方などお互い考えていることは違うのでそこは率直に意見が言い合える関係です。 

コールマン・リサーチ・グループのM&Aも端羽の発案。日本のM&Aで経験を積んで、そのあと海外と考えるのが通常かもしれませんが、いきなり海外。私が入社した当初から壮大なビジョンを描いていました。その無茶振りと、エネルギッシュな行動力に引っ張られながら事業推進に携わっています。 

ニーズの変化、ビザスクの価値 

ビザスクを利用する企業は、どのようなニーズがあるのでしょうか。 

宮崎:ビザスクのデータベースが圧倒的にグローバルに拡充したこともあり、現在多いニーズは海外の知見です。化粧品や健康食品で有名なファンケルさんはアメリカで展開中のブランドを更に成長させるためにビザスクを利用しました。現地のマーケティングやトレンドに詳しい外国人アドバイザーから話を聞き、より具体的で説得力のある戦略が展開できたという事例があります。 

カシオ計算機さんは、同社の代表的なブランド腕時計「G-SHOCK」の新たなDXサービス「MY G-SHOCK」のマーケティング戦略においてビザスクを利用。SDGsが広まりを見せる中、Z世代の若者に対してどのような訴求をしていくべきかというのが課題でした。欧米の若者はSDGsへの関心が高いため、現地のアパレル業界やEC業界のマーケターらにヒアリング。「未知の領域にも関わらず、有意義な情報を得られた」という声をいただきました。 

環境問題、働き方改革、DX、新型コロナウイルス感染拡大など、様々な要因からニーズは変化しています。 

海外で先行する市場を日本でも成長させたい 

-ビザスクのようなビジネスモデルは日本ではまだ珍しいですね。 

宮崎:そうですね。ただ、欧米ではエキスパートネットワーク業界として、盛り上がりを見せています。ビザスクは現在、日本最大級のナレッジプラットフォームというポジションですが、世界では6番目くらいなので、先行するプレイヤーに早くキャッチアップしていきたいです。 

「組織、世代、地域を超えた世界一のナレッジプラットフォーム」がビザスクの目標です。 

-なるほど。世界一のナレッジプラットフォームを実現させるための将来の展望を教えてください。 

宮崎:ベンチャービジネスの起業やスタートアップと大手の連携 、働き方改革が当たり前になり、ナレッジプラットフォームの裾野は広がっていると思います。しかし、まだまだ限定的な企業しか使っていない。「外部知見を活用すると良いですよ」と啓発している段階です。 

「ググる」のように「ビザスクする」という言葉が生まれるくらいにしたいですね。 

ビザスクは働くことの満足度も高める 

宮崎:現在ビザスク登録者数は49万人以上ですが、企業の挑戦を助ける知見を持ったビジネスパーソンはもっと多く存在します。法人クライアントとアドバイザー、両輪をより拡充していくことが当面の私の役割です。 

実は、ビザスクのサービスでは、アドバイザーからお礼のメールや時にはお品をいただくことが多いんです。自分の知見が、誰かの役に立つということに驚き喜びを感じられるようです。前職で、働くことの満足度についてぼんやり感じていた課題が、ビザスクのビジネスでは解決されているように思います。 

【宮崎 雄プロフィール】 

株式会社ビザスク 執行役員 

2006年にリクルートHRマーケティングに入社し、営業、新商品開発、リクルートホールディングス・リクルートジョブズの経営企画部門の責任者として従事。2019年3月にビザスクに参画、CEO室長とビザスクlite事業部長を兼任し法人向けマーケティングの立ち上げとビザスクliteの成長を推進。2022年3月より法人事業部 事業部長。横浜国立大学卒業。  

【宮崎 雄のStoryを作った本】 

『V字回復の経営―2年で会社を変えられますか』 著者:三枝匡 出版社:日本経済新聞出版 

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