【アメージングカレッジ・東松山】義務教育とは違う、もう一つの選択肢。子ども主体の「未来そうぞう学校」が来春開校!
近年、学校教育法で定められている「学校以外の学びの場」として、オルタナティブ教育が注目されています。多くの公立学校で行われている教育とは一線を画した学び舎「アメージングカレッジ(埼玉県東松山市)」が2023年4月の開校に向けて、11月1日に児童募集本格開始の発表会を実施しました。
子ども会議から生まれた“学校”
アメージングカレッジは既存の教育理念をベースとするのではなく、子どもの姿から必要な形をつくり出す学校。2022年5月に開催された学校説明会も、大人ではなく子どもが主導となりました。「どのような学校に通いたいか」というテーマにした子ども会議がスタート。「自由すぎる学校」、「動物を育てられる学校」、「全部の行事ができる学校」、「好きな時に寝れる学校」、「温泉がある学校」など、子どもの発想ならではの意見が集まりました。
「こんな学校に早く通いたい」、「次はいついけるの?」、「子ども会議の2回目をしたい」などの声を受け、大人たちが呼応した形です。つまり、アメージングカレッジは子ども自身が生み出した学校。子どもたちの成長を促すのではなく、子どもの主体性を尊重し、大人も一緒に成長していく方針。「子どもがつくる 大人を育てる 未来そうぞう学校」がコンセプトとなります。
教育目標は3つの“a”
校長に就任したのは国立大阪教育大学附属平野小学校で副校長を務めた岩﨑千佳氏です。岩﨑氏は2030年以降の新たな教育の形を探るべく、同校を文部科学省研究開発指定校とし「未来をそうぞう(想像・創造)する子ども」の次世代教育研究に従事。2016年に新教科「未来そうぞう科」を創設しました。
岩﨑氏は「この世に生まれた全ての子どもたちが『生まれてきて良かった』と思える世界をつくりたい。アメージングカレッジはそれを具現化させた教育目標やカリキュラム構成となっている」と語ります。大人が子どもに「教える」のではなく、子どもの中から「湧き上がる」に焦点を当てた教育。「awake(目覚める、呼び起こす、気づく)」、「alive(生き生きした、輝きのある、活気のある)」、「amazing(驚くべき、素晴らしい、びっくりするような)」という3つの“a”が教育目標です。
「自分」「集団」「社会」の各領域でアプローチ
岩﨑氏らが設立した「未来そうぞう科」は、学習指導要項において「特別活動」、「生活科」、「総合的な学習の時間」の3つを合わせた教科として位置付けられています。「自分自身を対象とする内容」、「集団や人間関係を対象とする内容」、「広く社会や自然を対象とする内容」の領域があり、アメージングカレッジではこれらを網羅するカリキュラムを構成。例えば自分の「好き」をとことん追求する授業も。好きなものをプレゼンし、子ども同士の「好き」を交換。それを広げて認め合うコミュニケーションなどが授業の内容となります。
「集団」の領域もあそびがスタート。仲間と過ごす楽しさを味わい、集安での自分の役割にやりがいが感じられるレクリエーションを実施します。また「社会」への関わりは行事で学ぶことができます。プレ開校時に企画したお祭りでは「たこ焼き」や「かき氷」、「流しそうめん」、「チュロス」などを出店。直接関わることができる身近な人や物から、間接的に関わること、普段関わることのない世界にまで触れられる体験でした。
小学部120人募集、中学部のプレ開校も
子ども自らが「好き」や「やりたいこと」を見つけることができるアメージングカレッジ。「本格的に畑で野菜を育てたい」と感じて農業の道に進む子どももいれば、「この仕組みを社会に広げたい」と考えて起業を目指す子どももいるかもしれません。子どもたちが将来に対しての見通しを持ちにくい昨今。アメージングカレッジは義務教育とは違う新しい選択肢の一つになるのではないでしょうか。
現在、2023年4月開校に向けて小学部定員120人を募集中。また、中学部もプレ開校する予定です。