2026.2.19

遺伝子組み換え・食品添加物・残留農薬、消費者が「リスク大」と考える理由 渕上桂樹の『渕上ラジオ』(第21回)

渕上桂樹

農業コミュニケーター

遺伝子組み換え・食品添加物・残留農薬、消費者が「リスク大」と考える理由

パーソナリティ:渕上桂樹 農業コミュニケーター

どうも皆さんこんにちは。
農業コミュニケーターの渕上桂樹です。今日も渕上ラジオをやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

遺伝子組み換え・食品添加物・残留農薬、消費者が「リスク大」と考える理由 渕上桂樹の『渕上ラジオ』(第21回)はこちらから聴けます。

専門家と一般消費者で異なる食品安全リスクの認識

以前の渕上ラジオで、食品安全の専門家と一般消費者が食品のリスクをどう認識しているのか、その比較グラフについてお話しました。

例えば、残留農薬、食中毒、放射線、遺伝子組換え食品など、さまざまな項目について「リスクが大きいと思うか小さいと思うか」というアンケート結果があり、専門家と一般消費者で認識に違いがあるという話でした。同じ部分もありますが、大きく違うものもあります。

例えば食品添加物については、食品安全の専門家で「リスクが大きい」と答えた人は5%でしたが、一般消費者では42%に及びました。

遺伝子組換え食品については、専門家で「リスクがある」と答えた人は0%でしたが、一般消費者では12%いました。一般消費者も極端に高いわけではありませんが、0%と12%では大きな違いです。

食品の焦げについても、専門家でリスクと答えた人は3%でしたが、一般消費者は29%と差が開いていました。

このように差が大きいものもあれば、あまり差がないものもあります。また、専門家がリスクが大きいと考えていて一般消費者は小さいと考えているもの、逆に一般消費者が大きいと考えていて専門家が小さいと考えているものもあります。

では、なぜこうした違いが出てくるのかということを、仲間と話し合いました。
その続きをお話しします。

食品安全リスクの認識、専門家と一般消費者で特に差がある項目について

私が注目したのは主に三つで、遺伝子組換え食品、食品添加物、残留農薬です。いずれも、専門家は大きなリスクとは見ていない一方で、一般消費者は比較的大きなリスクと見ている項目です。

これら三つに共通しているのは、一般消費者にとって身近ではないという点です。

遺伝子組換え作物を栽培している人は一般消費者の中にはほとんどいませんし、遺伝子について深く学んでいる人も多くはありません。食品添加物を日常的に工場で扱っている人も少なく、そうした人はむしろ専門家側に近いでしょう。農薬を日常的に使用している人も一般消費者にはあまりいません。

つまり、これらは一般消費者にとって遠い存在であり、自分で管理できないものです。残留農薬も遺伝子組換え作物も、自分で決めたりコントロールできるものではありません。

自分の責任ではないもの、自分では管理できないものに対して注意が向きやすいという心理的な傾向があるのではないかと思います。

また、一般消費者が目にする記事では、残留農薬がどうだとか、添加物がどうだとか、「無添加です」といった表現が強調されることが多く、そうした情報が響きやすいのかもしれません。

一方、食品安全の専門家や飲食店経営者、食品を扱う企業の人たちは、残留農薬や遺伝子組換えを気にしている場合ではなく、目の前の大きなリスクを管理しなければなりません。
食中毒や異物混入など、自分たちが直接対応しなければならないリスクに注意が向きます。
そうした現実の業務に直結するリスクを優先しているのです。

その意味で、専門家のリスク評価のほうが、実際のリスクの大小に即しているのではないかと私は考えます。

家庭でも、そうした視点を意識することで、食品安全管理の質は上がるかもしれません。例えば、手洗いをしっかり行う、食品の温度管理を徹底するなどです。

私たちがより気をつけなければならないのは、遺伝子組換え作物よりも、そうした日常の管理ではないかと思います。

今日の渕上ラジオはいかがでしたでしょうか。

ご意見、ご感想、ご質問がありましたら、ぜひお寄せください。

今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また別の機会にお会いしましょう。バイバイ。

イラストレーション竹村おひたし

関連記事

RANKING