遺伝子組み換え反対派の主張が無限ループ 渕上桂樹の『渕上ラジオ』(第17回)
パーソナリティ:渕上桂樹 農業コミュニケーター
はい、どうも皆さんこんにちは。農業コミュニケーターの渕上桂樹です。
今日もラジオをやっていきたいと思います。今日は「遺伝子組み換え作物」についてお話ししたいと思います。
遺伝子組み換え反対派の主張が無限ループ 渕上桂樹の『渕上ラジオ』(第17回)はこちらから聴けます。
遺伝子組み換え作物ってどんなイメージ?
遺伝子組み換え作物、皆さんはこう聞いてどう思いますか?
遺伝子組み換え作物は「好きでいつも食べています」というようなものではないので、「好きですよ」とか「嫌いですよ」とか、そういうものではないと思います。
日本では主に飼料用作物などに使われているので、私たちが毎日パクパク食べるようなものではないですよね。
ですが、結構色々なところで、遺伝子組み換え作物があたかもすごく危険であるかのように語られたり、「怖いよ」みたいな感じで、まことしやかに言われていたりとか、遺伝子組み換え作物が「もう入ってくるんだ」と言われたりしています。
実際には、私たちが食べる用ではないですけれど、もう日本に入ってきています。
遺伝子組み換え反対派の主張が無限ループ
私は以前一度だけ、遺伝子組み換え作物が危険であるかのように言っている講演会を聞きに行ったことがあります。
結構、偉い人がやっていた講演会だったのですが、どんなふうに危険だと言いたいのか?食べたらどうなると言いたいのか?と思い聞きに行きました。
講演ではまず、「遺伝子組み換え作物が日本に入ってくるかもしれない。これは問題だ」という話から始まりました。
これは、何が問題なのかと聞いてみたら「遺伝子組み換え作物は農薬がセットで使われている」と説明されました。
遺伝子組み換え作物であってもなくても、農薬を使うか使わないかは関係ないんじゃないかと思って聞いていたのですが、「遺伝子組み換え作物は農薬が問題です」と言うのです。
では、その農薬がなぜ問題なのかという話になるかと思いきや、「その農薬は遺伝子組み換え作物とセットなんです」という説明に戻ってしまいました。
つまり、「遺伝子組み換え作物が危険な理由は農薬が使われているから」で、「農薬が危険な理由は遺伝子組み換え作物が使われているから」という説明がぐるぐる回るだけで、「何がどう危険なのか」という本質的な理由には、たどり着きませんでした。
これは決して珍しい話ではありません。
問題と問題の堂々巡り
別のオンラインセミナーでも、似たような経験をしました。
そのセミナーでは、東京大学の鈴木宣弘教授が登壇され、農業や制度についてのお話をされていました。
その先生の話の中でも、「何が問題なのか」は、「別の問題があるからです」と言って、ぐるぐる回って本当に危ない理由は何なのか?というところに最後までたどり着かないことがありました。
その時、質疑応答で聞いてみました。
「種苗法が改正されると、なぜ困るのですか」と聞いたところ、
「それは種子法が廃止されるからです」という答えが返ってきました。
しかし、種苗法と種子法はまったく別の法律です。
その点を指摘すると、
「種子法が廃止されて困る理由は、種苗法が改正されるからです」と説明されました。
結局、
種子法が問題なのは種苗法が改正されるから、
種苗法が問題なのは種子法が廃止されるから、
という説明が繰り返されるだけで、
話は最後まで本質にたどり着かないまま、時間切れで終了となりました。
このように、「何が危険なのか」をはっきり言わず、
聞く人に「なんとなく危険そうだ」と思わせる話し方は、よく見かけます。
情報発信源になる人が、はっきり嘘をつくと指摘されてしまうため、本質的な部分には触れず、聞き手が「危険だ」と判断するような構成になっていることが多いように感じます。
そのため、「なぜ危険なのですか?」「食べたらどうなるのですか?」といった核心を突く質問は、あまり歓迎されません。
そうした質問を避けるために、話が堂々巡りになるケースも多いのです。
誤った思い込みを防ぐために
鈴木教授の話でもそうでしたし、元農林水産大臣の山田さんの講演でも、同じように最後まで「何がどう危険なのか」という本質にたどり着かないというのが、よくあるパターンなんだと思いました。
「遺伝子組み換え作物はこんなにも危険だ」とか、「遺伝子組み換え作物が入ってくるかもしれない」といった話を聞いたときには、なぜ危険なのか?なぜなのか?を意識してみるのが良いかもしれません。
今日は、私自身の体験談をもとにお話しさせていただきました。というわけで、淵上ラジオ、ぜひまた聴いてください。
それでは、また別の機会にお会いしましょう。バイバーイ。
イラストレーション:竹村おひたし